コラム
2024.07.05 相続した不動産を新潟で売却したい!その際にかかる税金とは?税金の種類や手続きの注意点を徹底解説!
相続した不動産の売却は現金化できるという一方で、原則として不動産売却時には税金がかかります。
売却金額に応じて印紙税、売却で利益が出た場合は譲渡所得税、登録免許税や消費税などもかかりますが、特例により税金の支払いを免除されたり、納税額を軽減できたりする場合もあります。今回は、その税金の種類から相続した不動産を売却する際の手続きや注意点について説明します。「親から相続した実家を売却したい」「相続した不動産にどれくらい税金がかかるか気になる」という方はぜひご覧ください。
相続した不動産売却にかかる税金の種類
最初に、相続した不動産を売却する際にかかる主な税金の種類、税率についてご紹介します。
印紙税
印紙税とは、売買契約書の作成時にかかる税金です。
不動産の売買を行った場合には、契約書に記載する金額に応じた収入印紙を、売買契約書に貼り付けなければいけません。税額は200円から600,000円までと、売買契約書に記載された契約金額に応じて高くなり、原則として以下のように定められています。印紙税の納税は、売買契約書を作成するダイミングとなります。
記載された契約金額 | 税額 |
10万円を超え 50万円以下のもの | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下のもの | 5千円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下のもの | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 32万円 |
50億円を超えるもの | 48万円 |
出典:国税庁HP「タックスアンサーNo.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」より抜粋
譲渡所得税
不動産売却によって利益が出た場合、利益に対して所得税と住民税が発生します。これらを総称して譲渡所得税といいます。譲渡所得税がかかるのは、不動産の購入金額よりも売却金額の方が高い場合に限られます。
譲渡所得は、以下の式で算出します。
- 課税譲渡所得金額 = 収入金額 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) – 特別控除額
不動産売却における収入金額とは、不動産を売却したことで受け取った金額のこと。
また、収入金額から差し引かれる特別控除額は、不動産の種類や譲渡する理由によって異なりますが、相続した不動産を売却する場合は、最大3,000万円が控除されます。
これ以外にも、消費税抵当権抹消に係る登録免許税、不動産会社に売却の仲介を依頼した場合には仲介手数料、抵当権抹消登記を司法書士に依頼した場合の司法書士への報酬、測量や建物の解体、不用品の廃棄処分などにかかる消費税なども必要になります。
相続した不動産売却にかかる税金を抑える特例や控除
不動産を売却した際に使える可能性のある特例は数多くあります。ここでは親から相続した不動産を売却する場合を想定し、その際に利用できる控除や特例を解説します。
取得費加算の特例
取得費加算の特例とは、相続で得た建物や土地などを売却したときの利益を計算する際、取得費に相続税額のうちの一定金額を加える制度のことを指します。相続した不動産を3年以内に売却すると受けられます。取得費加算の特例が適用されるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 相続や遺贈により財産を得た者(=相続人)であること
- 財産を相続するにあたって相続税が課されたこと
- 相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡したこと
取得費加算の特例は、相続税を納めた人のみに適用されます。譲渡所得税と同様に、相続税についても節税のために役立つ特例があり、これにより相続税が課されなかった場合には、取得費加算の特例は適用対象外となります。
3,000万円の特別控除
「3,000万円の特別控除」とは、相続した不動産を売却して得た利益について、一定の条件を満たした場合に最大3,000万円までの課税を免除される特例です。本控除が適用されるには以下の要件を満たす必要があります。
- 昭和56年5月31日より以前に建築された建物であること
- 区分所有登記がされた建物(マンション等)でないこと
- 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
- 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと
- 対象家屋を一定の耐震基準を満たした状態で売却するか、もしくは更地で売却すること
- 相続日から3年が経過した年の12月31日までに売却が完了していること
- 売却金額が1億円以下であること
- 売却した家や敷地について、「取得費加算の特例」など他の特例の適用を受けていないこと
これらが適用された場合、売却益が3,000万円以下であれば譲渡所得税の納付が不要になります。売却益が3,000万円を超えた場合も、課税譲渡所得金額から3,000万円が引かれた形で譲渡所得税が計算されます。
税額シミュレーション
相続した不動産を売却した場合に、どのくらいの税金が発生するのか、簡単なシミュレーションで試算してみましょう。
想定されるケース
親が20年前に3,000万円(土地2,000万円、建物1,000万円)で購入した木造住宅を7,000万円で親が亡くなって半年後に売却。取得時の手数料は250万円、譲渡費用は500万円。住宅ローンはすでに完済。相続税評価額は5,000万円。
不動産の売却にかかる所得税
まずは不動産を売却にかかる所得税、その中の取得費の計算をします。
最初に建物の減価償却費を計算して、相続税も加算して取得費を計算します。
- 建物部分の取得費:1,000万円 – (1,000万円 × 0.9 × 0.031 × 20) = 442万円
- 取得費合計:2,000万円 + 442万円 + 250万円(手数料)= 2,692万円
- 譲渡所得:7,000万円 – 2,692万円 – 500万円 = 3,808万円
- 親の死後、誰も住んでいなかったので空き家を売った時の特例を利用して3,000万円を控除。
控除後の課税対象額:3,808万円 – 3,000万円 = 808万円 - 長期譲渡所得だが、相続人は住んでいなかったので10年超の所有の軽減税率の適用はできない。
不動産売却にかかる所得税: 808万円 × 20.315% = 164.1452万円
印紙税
売却にあたって売買契約書に記載する金額が7,000万円なので、5,000超~1億円以下の軽減税率の適用で3万円。
登録免許税
ローンの支払いは終了していたので抵当権抹消登記の必要なし。
不動産売却にかかる所得税=147.8932万円
印紙税=3万円
計150.89325万円の税金が発生
まとめ|相続した不動産の売却は専門家に相談を!
最近では、親から実家を相続したけれど使い道がない上に、維持費や税金がかさんでお困りの方も多く見受けられます。相続しても利用しない不動産は売却するのも一つの手になりますが、かかる税金も高額になることも多く、仕組みも複雑です。不動産売却に関わる税金については、ぜひ新潟県の不動産を専門とする当社にご相談ください。
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