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2024.12.31 実家じまいの際に仏壇はどうする?処分方法や費用を解説

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実家じまいの際に仏壇はどうする?処分方法や費用を解説

実家じまいを進める中で、どのように遺品を処分してよいか悩む方も多いでしょう。

家具や家電であれば処分方法の見当はつきますが、仏壇となると取り扱いに困りますよね。そもそも処分可能か、処分するにしてもどのようにすれば無礼にあたらないかなどを考えなければなりません。

この記事では新潟市中央区の竹鼻不動産事務所、仏壇の正しい処分方法や費用を紹介しています。実家じまいの際に仏壇の取り扱いに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

実家の仏壇処分は供養(魂抜き)をしてから

まずは、実家と付き合いのあった菩提寺に魂抜きの依頼をしましょう。

仏壇には先祖代々の魂が宿るとされています。供養を実施せずに処分するのは、先祖代々の魂ごと廃棄するようなもののため、してはいけません。

供養して魂を別の場所へ移動させて、空き家状態になってから仏壇は処分しましょう。

ここでは、魂抜きや位牌の処分方法を解説します。

  • 魂抜き(閉眼供養)とは
  • 位牌も処分するなら一緒に魂抜きが必要

それぞれ理解を深めていきましょう。

魂抜き(閉眼供養)とは

大半の仏教宗派は、仏壇や墓などに「魂を入れる」「魂を抜く」という考えを説いています。普段、仏壇や墓に手を合わせるのは先祖の魂が宿っていると、無意識的に理解しているからでしょう。

仏壇を設置した際に、僧侶が魂を入れることで故人の魂が宿り、手を合わせる対象になるといわれています。

魂抜きとは、仏壇に入れた魂を供養によって、別の場所へ退避させる儀式です。

代々引き継いできた仏壇には、先祖の魂が宿っていると考えます。仏式で供養されてきた先祖への感謝の気持ちを表すためにも、魂抜きは実施しましょう。

位牌も処分するなら一緒に魂抜きが必要

仏壇に安置されている位牌も、処分する場合は魂抜きが必要です。

位牌には故人の戒名や俗名、亡くなった年月日、享年が刻まれています。種類もさまざまで、先祖代々のものや夫婦で戒名を2列に整理したものなどがあります。

位牌にはもちろん、故人の魂が入っています。魂抜きの手順は仏壇と同様で、菩提寺に依頼します。

両親が懇意にしていた菩提寺が分からない場合は、寺院と提携している仏具店や専門業者へ相談するのがおすすめです。

浄土真宗の場合魂抜きは不要

浄土真宗は、即身成仏の考えのもと法要を実施します。

即身成仏とは、亡くなった日に成仏する、という考えです。そのため、浄土真宗には魂の概念がなく、ほかの宗派と違い魂抜きは必要ないとされています。とはいえ、儀式が必要ないわけではありません。

浄土真宗の場合は魂入れや魂抜きの代わりに、入仏法要や遷仏法要を行います。

入仏法要とは仏壇に新しく御本尊を迎える法要とされています。遷仏法要とは仏壇の引っ越しや修復、処分する際に執り行われる法要です。

仏壇の移動や処分の際には、どの宗派でも共通して、御本尊や先祖の魂を移動させなければいけません。

実家じまいの仏壇の処分方法

大切に引き継いできた仏壇の処分は、多くの方を悩ませます。

仏壇の処分方法は5つに分かれます。

  • 菩提寺に引き取り依頼
  • 最寄りの仏具店や葬儀屋に依頼
  • 仏壇処分の専門業者に依頼
  • 粗大ごみとして処分
  • 不用品回収業者に依頼

ここでは、それぞれの処分方法を詳しく紹介します。

菩提寺に引き取り依頼

仏壇の供養は、基本的に檀家の菩提寺に依頼します。供養の依頼の際に、処分も可能か確認しましょう。

菩提寺に供養から引き取りまで依頼するメリットは、一貫して専門家に任せられる点です。故人や仏壇に敬意を表せる方法のため、宗教的な意味合いを重視する家庭にとって適切な選択でもあります。

専門家に依頼すると、具体的な供養方法や、供養後の仏壇の取り扱いに対する理解が進み、安心して手放せるでしょう。

とはいえ、多くの寺院は魂抜きのみを実施します。そのため、仏壇の運搬や処分には対応していません。実家じまいをする場合、仏壇の供養後に自分で処分する必要があります。

また、処分も可能な菩提寺だとしても、多くの寺院では回収業者を指定しています。そのため、別で処分業者に依頼するより割高になる可能性も。

菩提寺に依頼する際は費用の明確化と、供養や処分内容を確認しましょう。

最寄りの仏具店や葬儀屋に依頼

仏具店や葬儀屋は、宗教的な知識が豊富なため、安心して処理を任せられるでしょう。

ただし、不用品回収業者と比較すると高くなる傾向があります。仏壇の大きさによって費用は異なり、3万円~5万円程度、店舗によっては7万円ほどかかるケースも。

店舗によって供養の範囲やサービス、価格が大きく変動するため、事前の確認が必要です。

仏壇処分の専門業者に依頼

供養と処分、それぞれ手配するのは気苦労があるため、両方対応できる専門業者を選ぶのもおすすめです。

仏壇を引渡し、供養を完了させたあと、専門業者側で処分してくれます。多くの場合、供養の様子を写真や動画で確認できるため、依頼前に確認してみましょう。

実家解体の期日があり、早急に対応したいケースでの利用が向いています。すでに空き家でも、仏壇の引き取りが可能なため、頼りになるでしょう。

粗大ごみとして処分

木製の仏壇は、大半の自治体で粗大ごみとして処分可能です。

自分のタイミングで処分できるため、利用しやすい方法の1つでしょう。

ただし、自治体によって処分方法が違うため、ホームページや市役所の担当者に以下の内容を確認しなければいけません。

  • 大きさの制限
  • 引き取り場所
  • 処分料金

数千円程度で処分できる自治体もあるため、費用は安く済みます。

しかし自治体が回収に対応していない場合は、自分で収集場まで運搬する必要があります。

不用品回収業者に依頼

粗大ごみとして処分するのは気が引けるものの、安く処分したい場合は、不用品回収業者への依頼を検討しましょう。

不用品回収業者は、家庭やオフィスで不要になった品物を引き取り、処分またはリサイクルしてくれます。。

実家じまいをする際に、仏壇以外の不用品も同時に処分できる点はメリットといえるでしょう。

とはいえ、あくまでも不用品回収業者のため、適切な供養をしない可能性があります。

仏壇を一般廃棄物のように扱われることに抵抗がある場合は、別の方法を選択しましょう。

実家の仏壇処分にかかる費用

仏壇を処分する際は、供養と処分それぞれに費用がかかります。

処分方法や業者、地域によって異なるため、選択によって金額の影響範囲が変わるでしょう。

ここでは、供養と処分に関連する費用の概要を紹介します。

家族と相談し、実家じまいの際に仏壇を適切に処分する参考にしてください。

供養に必要な費用

寺院はお布施、神社は玉串料の名目で、謝礼金を納めます。

金額は地域や宗派、寺院の規模によって異なるため、事前に問い合わせましょう。

なお、インターネットの普及にともなって、供養費用の相場は固定化している状況です。

寺院や神社へ依頼 約1万円~5万円(お車代を合わせ、3万5,000円~5万円)
専門業者へ依頼 約2万円~3万円

ただし「4」という数字は縁起が悪いとされているため、お布施や玉串料として4万円を包むのは避けてくださいね。

処分に必要な費用

自治体の粗大ごみとして処分する場合は、数千円程度からと比較的安価です。しかし、仏具店や葬儀屋を利用すると、数万円から数十万円程度の費用がかかります。

不用品回収業者に依頼する場合も、供養の有無や処分方法によって金額が変動します。

サービス内容も自己処分と依頼処分では異なるため、事前確認が重要です。

また、実家じまいとして仏壇を処分するのであれば、遺品整理や相続、不動産の売却などほかの作業とも関連します。総合的に考えたうえで、処分計画を立てましょう。

相続放棄した場合の仏壇の処理方法

相続放棄しても仏壇の処分はしなければなりません。

相続放棄すると財産を相続できません。もちろん、不動産である実家や遺品も相続財産に該当します。

このような場合、実家にある仏壇も遺品の一部のため、処分しなくても問題ない、と考える方もいるでしょう。しかし、民法897条では、祖先を祀るために必要な財産(祭祀財産)は通常相続財産と切り離して扱うと記載されています。

仏壇やお墓は、祭祀財産に該当します。祭祀財産は相続放棄の影響を受けないため、相続放棄しても仏壇の処分から免れられません。

仏壇を処分せずに自分の家に移動させる方法

仏壇を移動させる場合、処分時と同じように魂抜きを行い、移動後、魂入れを実施します。仏壇や仏具に宿る霊魂を一時的に退避させ、仏壇自体を空き家状態にしてから現在の住まいに運び入れます。

仏壇を移動するおもな手段は、以下の3つです。

  費用 メリット デメリット
仏壇・仏具店 1万円~10万円 取り扱いに慣れたスタッフのため安心して引っ越しできる 費用はほかの引っ越し方法と比べて高額
引っ越し業者 1万円~2万円 運ぶ荷物が仏壇以外にもある場合、とくに有効 魂抜き後の仏壇でないと対応できないケースあり
自分で運ぶ 0円 費用面ではもっとも安価で済む 仏壇の破損や仏具の梱包など労力がかかる

仏壇・仏具店の多くは、仏壇の移動サービスに対応しているため、利用しやすいでしょう。反面、ほかの方法と比べて費用が高額になる傾向があります。移動距離や仏壇の大きさなどにより費用が変動します。

引っ越し業者へ依頼する場合、大手であれば大半の業者は仏壇の移動に対応しています。とはいえ、事前に魂抜きが必要など、条件付きの場合もありますので、事前確認は怠らないようにしましょう。

仏壇が小さい場合や費用を安く済ませたいケースでは、自分で移動する選択肢もありますが、大きな労力とリスクをともないます。仏壇の大きさによっては重さで運べないなどの問題が起きる可能性があるため、破損リスクがつきまとうでしょう。

可能な限り専門業者や引っ越し業者への依頼をおすすめします。

まとめ

実家に残された仏壇は供養してから処分しましょう。両親が引き継ぎ、大切にしてきた仏壇を供養すると、残された親族の心苦しさも軽減されます。

魂抜き後であれば、どのような処分方法を選んでも問題はありません。後悔しないよう事前に家族で処分方法を話し合いましょう。

前向きな気持ちで仏壇を手放すために、専門家や業者を比較して、信頼できる業者に依頼しましょう。

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