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2024.11.26 実家売却で片付けが必要な理由とは?自分で進める際の5つの手順も解説

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実家売却で片付けが必要な理由とは?自分で進める際の5つの手順も解説

実家を売却するとなったときに、片付けの時期や方法に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

両親が他界した悲しみが癒えないうちに家具や生活用品を片付けるのは、体力的にも精神的にもつらいものですよね。何より、両親や家族との思い出が詰まった家財道具を廃棄するのは心が痛むでしょう。

この記事では新潟市中央区の竹鼻不動産事務所が、実家を片付ける手順や起きうるトラブルなどを紹介します。

これらを把握したうえで、実家売却時の片付けを進めましょう。

実家売却に片付けが必要な理由

実家に限らず不動産の売却を決めた場合、家財道具すべてを片付け、家屋を空の状態にしなければいけません。

片付けないと家全体が不潔で狭く見え、内見時の印象が悪くなります。最悪の場合、買い手がつかないことも。

家財道具を置いたままでも売却はできます。しかし、査定の際に家財道具の処分費用が差し引かれるケースが多く、注意が必要です。

実家の売却時に片付けが必要な理由は大きく以下の2つがあげられます。

  • 物件本来の魅力が伝わらない
  • 査定の際に評価が下がる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

物件本来の魅力が伝わらない

購入希望者は、入居後の生活を想像しながら内覧します。

部屋に余計なものが散乱していると、本来の広さや間取り、日当たりのよさなどが伝わりません。物件本来の魅力を最大限に引き出すために、片付けは重要です。

内覧時に家具が置いてある部分は目視できません。売主自身も見えない部分の傷には気付けないため、購入希望者は不安を覚えるでしょう。

査定の際に評価が下がる

不用品を残したまま実家を売却すると、査定額から不用品の処分費用が引かれる可能性があります。

新生活を始める際、多くの人が自分好みのインテリアにしたいと考えます。そのため、他人が使っていた家具を放置しておくのは現実的ではありません。

不動産会社の査定では家屋の価値だけではなく、売却後に必要となる費用も考慮されます。家財道具を置いたままでも査定可能な不動産会社はあります。しかし、査定時に家財道具を残していた場合、不用品処分費用として評価を下げるケースが大半です。

査定時までに片付けないと、本来得られるはずだった売却益が減額されてしまいます。実家をできる限り高く売るために、手間がかかっても査定前に片付けておきましょう。

実家売却時に検討できる2つの片付け方法

両親の残した実家に対して、どのような処分をするか悩む方は数多くいます。

膨大な量の家財道具が残されていた場合、最終的に売却を考えていても、途方のなさに気が遠くなるかもしれません。

ここでは、実家売却を考えたときに検討できる2つの片付け方法を紹介します。

  • 自分や親族で片付ける
  • 業者に依頼する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分や親族で片付ける

自分や親族で分担して片付けを進めると、思い出の品と共に気持ちの整理ができます。

両親が大切にしていたものを自分たちの手で分けられるため、形見分けもしやすいです。

ただし、片付けには多くの時間と労力が必要です。遠方に住んでいると時間が作れず、自分たちだけで片付けるのは大変かもしれません。作業を進めるためには、ある程度の体力も必要になってきます。

自分や親族で片付けるメリット 自分や親族で片付けるデメリット
  • 悲しみなどの気持ちを整理できる
  • 両親の想いに触れられる
  • プライバシーが守れる
  • 費用の節約になる
  • 形見分けがしやすい
  • 体力的・精神的につらい
  • 重要なものが分からず分別が難しい
  • 親族間でトラブルになる可能性
  • 時間がかかる

親族が多くいる場合や実家に通える距離に住んでいる場合は、自分や親族での片付けを検討するとよいでしょう。

業者に依頼する

実家が遠方でなかなか通えない場合や体力的に厳しい場合には、業者への依頼を検討しましょう。

実家の片付けを業者に依頼する選択肢は大きく2つあります。

  • 不用品回収業者
  • 遺品整理業者

どちらに依頼しても、事前に複数社に見積もりを取るようにしましょう。同じ広さの家屋でも業者や処分品の量、建物状況によって料金は異なります。

たとえば、駐車場と家までが近いと安くなったり、マンションの上層階なのにエレベーターがない場合は高くなったりすることも。

これらを踏まえたうえで、それぞれ具体的に解説します。

不用品回収業者に依頼

不用品回収業者は家具や家電、その他の不用品に幅広く対応しています。そのため、少ない手間で片付けを進められるのがメリットです。

ただし、不用品回収業者は処理すべき家財道具をすべて不用品として扱います。

自分たちで貴重品や形見を分けたあとに依頼する場合は、問題ありません。しかし、最初からすべてを任せてしまうと、思い出の品や重要なものまで廃棄される可能性があります。

また、業者によって引き取り可能な範囲が異なるため、事前確認が必要です。見積もりは複数の業者から取り、料金や引き取り条件を比較検討しましょう。

不用品回収業者に依頼するメリット 不用品回収業者に依頼するデメリット
  • 遺品整理業者より安い場合がある
  • 体力的に楽
  • 分別して廃棄してくれる
  • 貴重品や形見も不用品扱い
  • 悪質な業者もある
  • 自分でやるより費用がかかる
  • 他人が家に入ることに抵抗がある人には向かない

不用品回収業者の多くはおもに「人件費+車輌費+処分費」で費用を算出します。もちろん、実家の広さや荷物の量によって費用は異なる点にも注意が必要です。

遺品整理業者に依頼

遺品整理業者は故人の所持品を丁寧に仕分け、必要に応じて買い取りや供養も行う特徴があります。部屋の清掃や不用品処分も依頼できる点がメリットです。

遺品整理業者は基本的に遺品整理士資格を持っています。貴重品や形見などの仕分けから価値が高いものの分別まで可能です。

遺品整理業者に依頼するメリット 遺品整理業者に依頼するデメリット
  • 遺族の心に寄り添ってくれる
  • 保存すべきものや処分可なものに詳しい
  • 価値のあるものを査定してくれる業者もある
  • 効率的に進めてくれる
  • 体力的に楽
  • 貴重品の捜索をしてくれる
  • 無資格の業者がいる
  • よい業者が対応地域外の場合がある
  • 自分でやるより費用がかかる
  • 他人が家に入ることに抵抗がある人には向かない

注意点は、一般的な不用品回収と比べると料金が高くなる傾向にある点です。依頼内容や物件の状況によって料金は異なるため、数社から見積もりを取り、依頼先を慎重に選びましょう。

自分で実家を片付ける5つの手順

実家を片付ける際には親族間で流れを共有しましょう。手順の共有が充分でないと、不必要なトラブルを生みかねません。

実家を片付ける際は、以下の順序で進めることをおすすめします。

  • 貴重品を捜索する
  • 計画を立てる
  • 分担を決める
  • 不用品の処分方法を確認する
  • 清掃をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

貴重品を捜索する

貴重品の中には相続に関わる書類もあるため、可能な限り最初に探し出します。

貴重品に当てはまるもの
  • 通帳
  • クレジットカード、キャッシュカード
  • 印鑑
  • 健康保険証、マイナンバーカード
  • パスポート
  • 年金手帳
  • 公共料金などの請求書、領収書
  • 有価証券
  • 契約書類、不動産などの権利関係書類
  • 貴金属、宝石、美術品など価値の高いもの

見つけた貴重品は一か所に集めましょう。実家の片付けは数ヶ月に渡るケースもあるため、その場に置いたままにせず、代表者が管理しましょう。

貴重品は厳重に隠してあるケースが多く、見つけるのが困難です。残された家族総出で、探し出しましょう。

リビングや書斎、寝室などは大切な書類がよく見つかる保管場所です。どうしても見つからない場合は、遺品整理業者などに相談してみましょう。

計画を立てる

片付けを始めるまでに売却までの流れを把握し、いつまでに片付けを終わらせる必要があるのか逆算しましょう。最初に売却までの流れを固めると、先延ばしせずに済みます。

計画を立てる際は、実家の広さや物量に応じて作業に必要な日数の予測が重要です。実家の片付けは1日で終わるものではありません。長年を過ごした家屋なら思い出の品も多く、仕分けに時間がかかります。

写真や思い出の品の整理は時間がかかりやすい傾向にあります。片付けのスケジュール自体を余裕なく組むと、不測の事態が起きた場合に対応できません。あらかじめ予備日を設けるなどしてスケジュールを組むようにしましょう。

分担を決める

各自の得意分野や作業量のバランスを考慮しながら、役割分担を決めます。

役割分担を決めないと、近居の親族が手を動かして作業するケースが多く、不公平感を覚えやすい状況になります。

話し合いの中で全員が納得する分担を決め、メモを残しておきましょう。

  • 実際の片付け
  • 貴重品の管理
  • 相続の手続き
  • 不用品処分
  • 形見分けまでの形見保管
  • 搬出後の清掃
  • 写真のデジタル保存
  • ゴミ収集日のゴミ出し
  • 粗大ごみ収集の手配
  • 売却する不動産会社の手配
  • 売却査定の立ち会い

上記にあげただけでも、実家の片付けに必要な作業がいかに多いか分かります。これらの作業をできる限り公平に分担し、確実にそれぞれが実施するようにしましょう。

分担を決める際は、何日程度協力可能か仕事の都合はつくかなど、個々の事情も考慮しましょう。

不用品の処分方法を確認する

不用品(廃棄物)の分別方法は自治体によって異なるため、事前の確認が重要です。自治体によっては専用のゴミ袋が必要な場合もあるため注意してください。

処分方法は役所の分別用紙を確認するほか、ホームページに掲載されているため、必ず事前に調べてから分別しましょう。

大型の不用品の処分には費用がかかります。新潟市内では、100円〜500円で大半の粗大ごみを回収可能です。廃棄するものが確定したら費用を算出しましょう。

家電は家電リサイクル法に則って処分する必要があります。購入した店舗が分かればその店舗に引き取りを依頼しましょう。また、郵便局でリサイクル料金を支払い、引き取り場所に自分で直接持ち込む方法もあります。

参照:粗大ごみ品目別料金一覧 新潟市

参照:テレビ・冷蔵庫等の家電リサイクル法対象品目 新潟市

清掃をする

すべての家財道具の搬出が済んだら丁寧に掃除をしましょう。

片付け中に出てきたホコリや汚れだけでなく、窓や壁、柱などもきれいにすると、物件本来の価値が目に見えるようになります。

汚れやすく掃除が大変な水回りは、ハウスクリーニング業者に依頼すると見違えるほどきれいにしてくれます。予算が許すなら業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。

実家売却時の片付けで押さえたい2つのポイント

実家の片付けには数多くの手順が必要です。いくら事前に決めごとをしていても、不測の事態が起こる場合もあります。

実家の片付けるにあたって前もって2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 片付けには時間がかかる
  • 実家を処分する際のトラブルに注意

それぞれ詳しく見ていきます。

片付けには時間がかかる

実家は両親と長い時間を過ごした場所のため、思い出の品が数多くありますよね。そのため、実家の片付けは想像以上の時間がかかります。

思い出の品の仕分けや不用品の処分に時間を要するほか、不用品を処分するにもさまざまな手続きが必要です。

実家の売却を決めたら早めに片付けに取りかかることで、思い出の品や気持ちを整理する時間が生まれます。焦って片付けを進めると、大切なものを処分してしまう可能性もあるので注意してください。

実家を処分する際のトラブルに注意

多かれ少なかれトラブルが起こるのは仕方ありませんが、適切な対処で残された親族間の関係性を良好に保てるでしょう。

トラブルの原因の多くは、事前準備や打ち合わせ不足などあげられます。

  • 片付けの分担で親族と揉めた
  • 貴重品を親族に内緒で自分のものにした

コミュニケーションを密に取り、事前の取り決めによって大半のトラブルは回避できます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

片付けの分担で親族と揉めた

遠方に住んでいるため片付けになかなか参加できず、近くに住んでいる親族に任せきりといったケースがあげられます。

事前の分担業務を明確にしておらず、メモに残していなかったことが原因のひとつです。

売却や査定などの手続き関係を担当していても、体を使わなければやったうちに入らないと思う親族もいるかもしれません。実際に体を動かして片付けができない場合は、理由を明確にし、関係者全員の納得が必要です。

準備の段階で全員が納得したうえ分担を決めると、トラブルを予防できるでしょう。

貴重品を親族に内緒で自分のものにした

貴重品を最初に捜索していても、片付けを進めるうちに思わぬところから金品が出てくるケースがあります。

いくら親族が気付いていなくても、自分のものにするのはあとになって発覚した際に亀裂を生みます。今後の親族との関係を良好に保ちたい場合は、報告するに越したことはありません。

また、貴重品が金品だった場合、相続手続きが必要です。

金品が見つかった場合は関係者全員に周知し、そのうえで対応を決めましょう。

まとめ

実家売却で片付けを行う際には、残された親族間で決めることが多数存在します。

実家の片付けを始めるとさまざまな思い出の品が出てくるでしょう。親族間で思い出を語りながら片付けると、心の整理をするための大切な時間になります。

実家売却を考えて片付けをする機会は数えるほどしかありません。親族間で片付けの分担を決め、事前のスケジュール通りに進めると、片付けはスムーズに進められるでしょう。

>>新潟市中央区で不動産売却するなら「竹鼻不動産事務所」