不動産売却の必要書類|全部そろえる前に、早めに確認したいもの

不動産売却時に必要な書類と入手方法をまとめて解説

売却を考え始めて必要書類の一覧を見ると、そろえるだけで大変そうに感じると思います。権利証も図面もすぐに見つからない。それを理由に、相談を後回しにしなくて大丈夫です。

査定のために物件を知る資料と、最後に名義を移すための書類は、使う時期が違います。私が先に知りたいのは、書類が何枚あるかより、何が分からない状態なのかです。見つからない書類によって、調べる先も、売却に必要な時間も変わります。

目次

査定の相談は、場所と手元にある資料から始められます

最初は所在地と物件の種類、今の使用状況を教えてください。固定資産税の納税通知書に付いている課税明細、購入時の図面や売買契約書があれば、土地や建物を確認する手掛かりになります。査定の相談前に、すべてを取り寄せる必要はありません。

固定資産税の資料は、どの土地や建物に課税されているかを見るために使います。そこに載っている評価額が、そのまま売却価格になるわけではありません。登記事項証明書では名義や登記された権利を確認しますが、建物の傷みや隣地との境界の現状までは分かりません。

資料だけで分からないことは、調査や現地確認が必要です。例えば建物を使える状態かどうかで、建物付きで売る案と、解体費を考慮して売る案は変わります。最初の価格が概算なのか、どこまで確認した価格なのかを分けて受け止めてください。

早めに確認したいのは、名義・権利証・ローンです

登記の名義と今の住所が合っているか

登記事項証明書の所有者と売主様が一致しているか、共有者がいるかを確認します。共有の不動産全体を売るなら、共有者全員の意思を確かめる必要があります。遠方に住んでいる方がいれば、連絡や本人確認の方法を早めに決めておくと、日程を組みやすくなります。

登記上の住所や氏名が現在と違う場合は、変更をつなぐ資料や登記手続きが必要になります。住民票だけで足りるとは限らず、転居の経過によっては戸籍の附票などを確認することもあります。必要な資料は司法書士に確かめてから取得してください。

権利証が見つからなければ、見つからないまま伝えてください

登記済権利証や登記識別情報は、名義を移す登記などで使うものです。法務局の案内にあるとおり、紛失しても再発行はされません。ただ、それだけで売却できなくなるわけではありません。

登記識別情報を提供できない場合は、事前通知や、司法書士等による本人確認情報の提供など、別の方法があります。法務局の説明資料でも案内されています。どの方法を使うかは、登記を担当する司法書士と決済の段取りを含めて確認します。

代金の支払いと登記を合わせる取引では、手続きにかかる時間も関係します。引渡し直前まで探し続けるより、「今は見つからない」と早めに伝えたほうが、費用と日程を具体的にできます。登記識別情報の番号を、相談フォームに入力する必要はありません。

ローンがあるなら、残高と完済の手続きも確認します

返済予定表や残高が分かる資料を用意し、売却代金などで完済できるかを確かめます。登記簿に書かれた抵当権の金額は、現在のローン残高とは違います。

完済と同時に抵当権を抹消する場合は、金融機関への申込みや書類の受取りを決済日に合わせます。売却代金で不足する見込みなら、引渡しが決まってから考えるのでは遅くなります。自己資金で補えるかなどを先に確認し、実行できる条件で売り出す必要があります。

売買契約の前は、買主様に何を説明できるかを確認します

土地なら測量図や境界確認書、建物なら確認済証・検査済証、図面、修繕の記録などです。購入時の重要事項説明書や売買契約書も、当時の説明や条件をたどる資料になります。ただし、その後に道路や建物の状態が変わっていないかは別に調べます。

測量図があっても、それだけで現地の境界がすべて明らかとは限りません。どの範囲を測った図か、隣地との確認があるか、現地に境界標があるかを見ます。逆に、図面がないからといって、相談前に測量を発注する必要もありません。

土地を分けて売るのか、買主様が建築するのか、境界をどの状態で引き渡すのかで必要な準備は変わります。測量や隣地との立会いが必要なら、その費用と期間を売買条件に反映します。先に引渡し日だけを約束すると、調査が間に合わなくなるおそれがあります。

建物の雨漏りや設備の故障など、売主様が知っている状態も伝えてください。修繕の領収書がなくても、「どこを、いつ頃、どう直したか」が分かれば調査の手掛かりになります。資料がないことと、不具合がないことは同じではありません。

検査済証がない場合と、マンションの管理資料がない場合は、調べる先が違います

確認済証や検査済証が見つからない場合、新潟市では、記録がある建物について台帳記載証明書を取得できる場合があります。これは確認や検査の状況を証明するもので、確認済証・検査済証の再発行ではありません。新潟市の取得案内で、記録の対象や窓口を確認できます。

検査を受けた記録があるのか、書類だけが見つからないのかで、買主様や金融機関へ説明できる内容が変わります。また、当時の記録があっても、その後の増築などを含む現在の状態まで証明するものではありません。

マンションなら、管理規約、使用細則、長期修繕計画、総会の資料などを探します。管理費・修繕積立金の現在額、改定予定、駐車場の扱いなどは、管理会社や管理組合へ最新の内容を確認します。

買主様には、購入後の毎月の支払いと、使いたい駐車場や設備を引き継げるかが関わります。購入当時の資料だけでは、その説明ができないことがあります。取得に費用や日数がかかる資料もあるため、不動産会社と必要なものを絞ってから依頼するほうが無駄を減らせます。

書類の主な入手先と、使う時期

  • 登記事項証明書・地図・地積測量図など:法務局等。名義や土地の資料を調べる段階で使います。すべての土地に地積測量図が備わっているわけではありません。
  • 固定資産税の課税明細:毎年届く納税通知書を確認。見つからなければ、用途に合う証明書等を市区町村へ確認します。
  • 購入時の契約書・図面・修繕記録:手元の保管資料を確認。購入時の不動産会社や施工会社に記録が残っている場合もあります。
  • マンションの管理資料:管理会社・管理組合。販売や契約説明に必要な最新資料を確認します。
  • 本人確認書類・印鑑証明書・住所変更をつなぐ資料:本人が保有する書類と、市区町村等で取得するものがあります。必要な種類・通数・取得時期は、担当者や司法書士の案内に合わせます。
  • 抵当権抹消に関する書類:借入先の金融機関等。完済手続きと引渡しの日程に合わせて準備します。

これは全員が同じ書類を提出する一覧ではありません。法人名義、代理人による手続き、海外居住などでは必要なものが変わります。名義や売却条件を確認してから、売主様ごとの一覧にするほうが確実です。

印鑑証明書は、早く取りすぎないほうがよいこともあります

通常の売買による所有権移転登記で売主が添付する印鑑証明書は、作成後3か月以内のものが必要です。法務省の売買による登記の案内にも記載されています。売却相談の時点で取得すると、引渡しの頃には取り直しになることがあります。

住民票などにも一律に同じ有効期間がある、と考える必要はありません。何の手続きに使うかで確認します。先に書類の所在と不足を把握し、日付が関わるものは使用する時期に合わせて取得してください。

全部そろえるより、止まりそうなところを先に確かめましょう

権利証がない、登記の住所が古い、ローンが残っている、境界が分からない。それぞれ必要な対応が違います。分からないことを先に伝えていただければ、何から調べるかを決められます。

まずは所在地と物件の種類、手元にある書類、見つからずに困っているものを教えてください。まだ売ると決めていない段階でも結構です。

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この記事を書いた人

弊社は「最善の不動産取引を」をスローガンに掲げ、不動産の売却支援を専門に手がけています。売却にはさまざまな事情がありますが、お客様ひとりひとりの背景に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。不動産業界の歴史や伝統を大切にしながらも、AIなどの最新技術も柔軟に取り入れ、時代に合ったサービスの提供に努めてまいります。

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