不動産売却でリフォームは必要?|「やった方がいい人」「やらない方がいい人」の分かれ目
不動産を売ろうとすると、 かなりの確率で出てくる質問があります。
「売る前に、リフォームした方がいいですか?」
結論から言います。
ほとんどのケースで、大きなリフォームは不要
むしろ、 やらない方がよかった… という場面を見てきた回数の方が多いです。
この記事では、
- なぜリフォームが売却で裏目に出やすいのか
- 現場で実際に効果があったこと
を、現場目線で整理します。
まず前提|リフォーム代は、そのまま上乗せできない
売主様が一番勘違いしやすいのが、ここです。
「500万円かけて直したから、500万円高く売れる」
残念ですが、 ほぼありません。
なぜかというと、 買主様はこう考えるからです。
「この物件、リフォームしてあるな」 「でも、それは“売主様の好み”だよね」
つまり、
買主様は“自分がやっていない工事”に満額を払わない
ということです。
売却前リフォームが失敗しやすい理由
① 好みが合わない
壁紙・床・キッチン。
どれも、
好みが分かれる要素
です。
売主様が「無難」と思って選んだ仕様も、
買主様から見ると、
「どうせ変えるから要らない」
になりがちです。
② 工事中・工事後に時間がかかる
リフォームを入れると、
- 工事期間
- 引き渡しまでの待ち
で、 売り出しが後ろ倒しになります。
結果として、
市況の良いタイミングを逃す
これ、実務ではよくあります。
③ 想定外の追加工事が出る
特に築年数が経っている物件では、
- 開けたら配管がボロボロ
- 下地が傷んでいる
といったことが普通に起きます。
気づいたら、
「売るための工事なのに、予算オーバー」
という状態。
これ、精神的にもきついです。
売却前に「一番コスパがいい」こと
大規模リフォームより、 実際に効くのはこれです。
① 徹底的な清掃
特に、
- 水回り
- 窓・サッシ
- 玄関
ここがきれいだと、
築年数の印象が一段変わります。
② 不要物の撤去
家具・荷物・使っていない家電。
これが残っているだけで、
部屋は狭く、古く見える
内見時の印象、かなり落ちます。
③ 通電・換気・明るさ
空き家の場合、
暗い・臭い・空気が重い
この3点は致命的です。
通電して、 換気して、 照明を点ける。
これだけで、
「ちゃんと管理されている物件」
に見えます。
リフォームするか迷ったら、まずやるべきこと
私が必ずお伝えしているのは、
「工事する前に、不動産会社に見せてください」
ということです。
売却戦略によって、
- やる意味がある工事
- やらない方がいい工事
は、はっきり分かれます。
独断で工事してしまうと、
取り戻せないお金
になることもあります。
まとめ|売却前リフォームは「基本的には不要」でOK
不動産売却において、
リフォームは基本不要
これが、現場での実感です。
やるとしたら、
- 明確なマイナスを消す
- 費用対効果が読める
この条件がそろったときだけ。
それ以外は、
「きれいに使っている印象」を作る
これに全力を使った方が、 結果として早く・納得感のある売却につながりやすいです。
リフォームするかどうか迷ったら、
「やったらいくらで、やらなかったらどうなるか」
この2パターンを、 一度並べて考えてみてください。
