訪問査定で必要なもの|これだけ揃えておけば話が早い
不動産の売却を考え始めて、 「一度、訪問査定をお願いしようかな」
そう思ったタイミングで、 売主様からよく聞かれるのがこの質問です。
「訪問査定って、何を準備しておけばいいんですか?」
結論から言うと、 完璧に揃っていなくても大丈夫です。
ただし、 ある程度そろっていると、
- 査定の精度が上がる
- 話が早い
- あとからの「話が違う」を防げる
というメリットがあります。
この記事では、 竹日々の現場で実際に見ている感覚で、
- 最低限あったほうがいいもの
- あると査定が一段正確になるもの
- 無理に用意しなくていいもの
を整理します。
そもそも訪問査定って何をするのか
訪問査定は、
実際に物件を見たうえで、 「いくらで、どう売れそうか」を判断する
ためのものです。
机上査定と違って、
- 室内の状態
- 日当たり・眺望
- 劣化や不具合
- 周辺環境
といった 現地でしか分からない情報 が価格に反映されます。
なので、 「書類を見せる場」というより、
情報をすり合わせる場
だと思ってください。
まずはこれだけ|最低限あったほうがいいもの
① 登記簿謄本(全部事項証明書)※なくてもOK
あれば一番早いですが、 なければ不動産会社側で取得できます。
確認するのは、
- 所有者
- 共有か単独か
- 抵当権の有無
「名義がどうなっているか」だけでも、 把握しておいていただけると助かります。
② 固定資産税の課税明細書
毎年4〜6月頃に届く、 あの封筒です。
ここで分かるのは、
- 土地・建物の評価額
- 固定資産税・都市計画税の金額
売却時の清算や、 税金の話をするうえで重要です。
③ 間取り図・測量図(あれば)
新築時のパンフレットや、 購入時の資料でOKです。
正確でなくても、
「どんな形か」が分かるだけで十分
です。
あると査定の精度が上がるもの
④ 購入時の資料(売買契約書など)
これは、
あとで税金の話をする際に効いてきます。
具体的には、
- 購入価格
- 購入時の仲介手数料
- 取得時の諸費用
譲渡所得税の計算に直結します。
「見つからない」場合も多いので、 無理に探さなくても大丈夫ですが、
あるなら絶対に出してほしい
資料です。
⑤ リフォーム・修繕の履歴
内容はざっくりで構いません。
- いつ頃
- どこを
- どれくらいの規模で
これが分かるだけで、
評価の仕方が変わる
ケースは多いです。
領収書がなくても、 メモ書きレベルで十分です。
⑥ 住宅ローンの残高が分かるもの
ローンが残っている場合は、
- 残債はいくらか
- 完済できそうか
ここを早めに確認します。
売却価格の目安や、 住み替え・資金計画の話に直結します。
実は「無理に用意しなくていい」もの
売主様が気にされがちですが、
最初の訪問査定では不要なもの
もあります。
- 完璧な清掃
- リフォーム済み状態
- 細かすぎる資料整理
正直、
ありのままを見せてもらった方が助かります。
あとから
「実はここが壊れていて…」
となる方が、 話がこじれやすい。
訪問査定で一番大事なのは「物」より「話」
現場にいる立場から言うと、
書類より大事なのは、売主様の話
です。
- なぜ売ろうと思ったのか
- いつ頃までに売りたいか
- 不安に思っていること
これが分からないと、
どんな価格設定が正解か決められません。
高く売りたいのか、 早く売りたいのか、 トラブルを避けたいのか。
ここが共有できて、 初めて「意味のある査定」になります。
まとめ|訪問査定は「準備8割」じゃなくていい
訪問査定に必要なものをまとめると、
- 最低限:課税明細書、間取りが分かる資料
- あると良い:購入時資料、修繕履歴、ローン残高
これくらいで十分です。
完璧に揃えてから呼ぶ必要はありません。
むしろ、
「この物件、どう考えるのが現実的か」
を一緒に整理する場として、 使っていただくのが一番です。
訪問査定は、 売却を決める場ではありません。
決めるための材料を集める場です。
肩の力を抜いて、 そのままの状態で呼んでください。
