不動産売却で必要な書類まとめ|全部そろってなくても大丈夫。現場で本当に使うものだけ整理します
不動産を売ろうとすると、 だいたいこのタイミングで不安になります。
「何の書類が必要なんですか?」
「全部そろえないと売れませんか?」
結論から言うと、
最初から全部そろっていなくても、売却は進められます。
この記事では、 現場で実際に売却を進めている立場から、
- 必ず必要になる書類
- あると話が早くなる書類
- 後半で必要になる書類
この3つに分けて整理します。
「今どこまで準備すればいいのか」が分かるように書いています。
まず最初に押さえておきたい前提
不動産売却の書類は、
売却のステップごとに必要になる
ものが違います。
よくある失敗が、
「全部そろえてから相談しよう」として、動けなくなる
パターン。
実務では、
- 相談・査定段階
- 売却活動中
- 契約・引き渡し直前
で、必要書類は順番に出てきます。
なので、 今の段階で必要なものだけ を意識すればOKです。
【必須】ほぼ確実に必要になる書類
① 登記識別情報通知(権利証)
これはご認識のとおりで、
原則として必須
です。
売買で所有権を移転する登記をするときに、
「本当に売主様本人が、名義人として登記手続きをする意思があるか」
を確認するための重要な情報になります。
昔の紙の権利証だったり、 最近は「登記識別情報通知」という12桁前後の英数字が書かれた通知だったりします。
ここで大事なのは、
無いと売れない、ではなく「手続きが一段増える」
ということです。
紛失している場合でも、
- 司法書士による本人確認情報の提供
- 事前通知(法務局からの確認手続き)
などの方法で登記はできます。
ただし、
- 時間がかかる
- 追加費用がかかる
- 買主様側が嫌がるケースがある
という現実はあります。
なので、手元にあるなら 最優先で確保しておく書類です。
② 固定資産税・都市計画税の課税明細書
毎年春頃に届く、 あの封筒です。
ここで分かるのは、
- 固定資産税評価額
- 年間の税額
売却時の
- 税金の日割り清算
- 諸費用のシミュレーション
に使います。
これは早めに出してもらえると助かる書類です。
③ 本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカードなど。
これは、
- 媒介契約
- 売買契約
の段階で必須になります。
【必須級】状況によって必ず必要になる書類
④ 住宅ローン残高が分かる書類(ローンがある場合)
ローンが残っている場合は必須です。
- 残債はいくらか
- 完済できるか
ここを把握しないと、
売れる・売れないの判断ができません。
【あると精度が上がる】査定・打ち合わせで役立つ書類
⑤ 購入時の売買契約書・重要事項説明書
これは、
あとで税金の話をする際にかなり重要
です。
分かることは、
- 購入価格
- 購入時の仲介手数料
- 取得費に含められる費用
譲渡所得税の計算に直結します。
見つからない方も多いですが、 あれば必ず出してほしい書類です。
⑥ 間取り図・測量図・建築確認資料
新築時のパンフレットや、 購入時の資料で十分です。
正確さより、
「全体像が分かるかどうか」
が大事です。
⑦ リフォーム・修繕履歴が分かるもの
完璧な資料でなくて大丈夫です。
- いつ頃
- どこを
- どんな工事をしたか
メモ書きレベルでもOK。
評価や説明の仕方が変わるので、 情報は多い方が助かります。
【後半で必要】契約・引き渡し時の書類
⑧ 印鑑証明書・実印
売買契約・決済時に使います。
印鑑証明書は、
取得から3か月以内
が求められるのが一般的です。
⑨ 住民票(住所変更がある場合)
登記上の住所と、 現住所が違う場合に必要です。
引っ越し歴がある方は要注意です。
⑩ 抵当権抹消関連書類(ローン完済が必要な場合)
ローン完済時に、
- 金融機関からの書類
- 司法書士への依頼
が必要になります。
ここは基本的に、
不動産会社と司法書士が段取りします。
「書類がない=売れない」ではありません
古い物件だと、
「資料が何も残っていない」
ケースもあります。
その場合でも売却はできます。
ただし、
登記識別情報通知(権利証)だけは、無いと本当に面倒が増えます。
売れないわけじゃない。 でも、手続きと説明が増えて、買主様の心理的ハードルも上がりやすい。
だから、
まずは「権利証がどこにあるか」だけ探す
ここから始めるのが一番早いです。
まとめ|書類は「そろえてから売る」じゃなく「売りながらそろえる」。でも権利証だけは先に確保
不動産売却の必要書類は、
最初から全部そろえる必要はありません。
ただし、
- 登記識別情報通知(権利証)
- 課税明細書
- 名義・ローン状況
このあたりは早めに押さえておくと、 売却がスムーズになります。
「書類が足りないから相談できない」 そう思って止まっているなら、 それはもったいない。
今ある情報だけ持って、 一度テーブルに出してみてください。
そこからが、本当のスタートです。
