ゴミ屋敷は売却できる?|「全部片付けてから」じゃなくても大丈夫
新潟市で「ゴミ屋敷になってしまった家を売りたい」と相談を受けることがあります。
結論から言うと、ゴミ屋敷でも売却はできます。ただし、売り方を間違えると時間もお金も溶けやすい。
そして一番多い勘違いがこれです。
「全部片付けてから売ろうと思ってて…」
これ、状況によってもったいない選択かもしれません。
理由はシンプルで、片付け費用が想像以上に重いのと、片付け途中で止まって“結局売れない状態が長引く”ケースが多いから。
この記事では、現場目線で、新潟市でゴミ屋敷を売却する現実的な選択肢を整理します。
ゴミ屋敷でも売却できる理由
不動産の売買は、きれいかどうか“だけ”で決まりません。
買主様が見ているのは主に、
- 立地(エリア・接道・周辺環境)
- 土地の価値(面積・形・用途地域など)
- 建物の状態(使えるか、解体前提か)
- 総額(購入費+片付け+修繕/解体)
つまり、ゴミがあっても、価格の組み立てと条件が現実的なら話は進みます。
まずやるべきこと|「片付け」ではなく「売り方を決める」
最初に決めるのは、片付けの量ではなく、売り方です。
ゴミ屋敷の売却は、だいたい次の3パターンに分かれます。
- ① 現状のまま仲介で売る(現状有姿)
- ② 片付けてから仲介で売る
- ③ 買取(現状のまま)
どれが正解かは、物件と事情で変わります。
だから、順番を間違えない。
「売り方が決まってから、片付けの範囲を決める」が基本です。
売却パターン①:現状のまま仲介で売る(現状有姿)
現状有姿(げんじょうゆうし)=「いまの状態のまま引き渡す」売り方です。
ゴミ屋敷でも、条件が合えばこの形で売れます。
メリット
- 片付け費用を先に立てなくていい
- 動き出しが早い
- 相続案件などで“止まっている時間”を減らせる
デメリット
- 買主様の候補が絞られやすい(リフォーム前提・解体前提)
- 価格は下がりやすい(片付け・修繕の見込みを買主様が引く)
- 内見が難しいと販売が長期化しやすい
ここで大事なのは、「見せ方」です。
現場の感覚だと、ゴミ屋敷は“情報が少ない”ほど買主様は怖くなります。
なので、可能なら
- 玄関〜主要室〜水回りまで、最低限の導線を確保
- 写真が撮れる状態を一部でも作る
- 片付け費用の概算見積(業者)を取っておく
これだけで、話が一段進みます。
売却パターン②:片付けてから仲介で売る
もちろん、「片付けてから」の方が高く売れる可能性は上がります。
ただし、ここは落とし穴が多い。
片付け=価値が同額で上がるわけではないんです。
片付けに100万円かけても、売値が100万円上がる保証はありません。
片付けてから売るのが向いているケース
- すでに買主様が動きやすいエリアで、売出しの母数が多い
- 建物が“使える”状態で、リフォーム提案がしやすい
- 内見で止まる要因(臭い・導線ゼロ)が強く、改善の効果が大きい
- 片付け費用を無理なく捻出できる(ここ大事)
「全部片付けてから」は本当に必要?
ここ、強めに言います。
全部やらなくていいケース、普通にあります。
現場だと、いきなりフル片付けをやるより、
- 臭いの原因箇所を潰す
- 水回り周りだけは触れるようにする
- 床が見える範囲を作って写真が撮れるようにする
この“部分最適”で十分動くことが多いです。
要は、売却のために必要なラインを見極める。そこから先はコストの世界です。
売却パターン③:買取(現状のまま)
「時間をかけられない」「近所に知られたくない」「片付けの手配が無理」
こういう事情があるなら、買取が現実的です。
メリット
- スピードが出やすい
- 内見回数を最小化できる
- 現状のまま進めやすい(片付け・解体込みで組めることがある)
デメリット
- 仲介より価格は下がりやすい(業者側のリスク・工事費を織り込む)
- 業者の見積が厳しめになりやすい(これは当然)
ただ、「売れるか分からない状態で半年放置」より、「確実に一発で決める」方が結果として得なケースもあります。
ここは“金額”だけじゃなく、“時間と精神コスト”も含めて判断した方がいいです。
新潟市でゴミ屋敷を売るときの「現実的な段取り」
- ① 物件の状況整理(権利関係・境界など)
- ② 売り方の方針決め(現状仲介/片付け後仲介/買取)
- ③ 片付けの範囲を決める(必要最低限〜全部まで)
- ④ 価格の組み立て(片付け費・修繕費・解体費を踏まえる)
- ⑤ 売却活動〜契約
この順番でやると、ブレにくいです。
まとめ|ゴミ屋敷は「片付ける」より「売れる形にする」
新潟市のゴミ屋敷でも、売却はできます。
ただし、やり方を間違えると、片付け費用と時間で消耗します。
大事なのは、
- 売り方(仲介/片付け/買取)を先に決める
- 片付けは“必要な範囲”だけやる
- 費用対効果で判断する
これだけです。
気合いで片付ける前に、まずは“設計”をしましょう。
