東区の土地を売るなら、今は地価が上がっているから高めに出してよいのか。2026年の地価調査を見ると、住宅地9地点のうち8地点が上昇し、1地点が横ばいです。売主様にとって、値上がりは気になる話だと思います。
ただ、東明で土地を探す方が、価格が安いからといって船江町も同じように候補に入れるでしょうか。職場や学校、ご家族の住む場所によっては、探す範囲が決まっていることもあります。東区全体の数字に加えて、その場所で探している方が、ほかにどの物件を見るか。そこまで見て売出価格を決めます。
2026年の東区の住宅地はどう動いたか
次の表は、新潟県の地価調査から住宅地の一部を抜き出したものです。価格の時点は2026年7月1日、前年比は2025年7月1日との比較です。町内全体の平均価格ではなく、表に示した各地点の価格です。
| 調査地点 | 価格(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|
| 松和町9-30 | 78,200 | +0.3% |
| 桃山町1丁目37番 | 65,200 | 0.0% |
| 竹尾4-4-18 | 78,000 | +0.6% |
| もえぎ野3-10-22 | 85,600 | +0.9% |
| 下場新町18-15 | 79,700 | +0.9% |
| 東明5丁目2番5 | 86,300 | +1.8% |
| 船江町1-19-12 | 51,200 | +0.8% |
出典:新潟県「令和8年度地価調査 標準価格一覧表」(PDF)。住宅地9地点の集計は、同資料の東(県)-1~9によります。
東明と船江町の価格差を、土地の良し悪しにしない
表では、東明5丁目が86,300円/㎡、船江町1丁目が51,200円/㎡です。どちらも前年より上がっていますが、価格の水準は違います。この2地点を見て「東明はよい土地、船江町は劣る土地」と考える必要はありません。買う方が求める場所や予算が違えば、選ばれる土地も違います。
例えば、船江町の周辺に職場や家族の住まいがあり、その近くで探す方にとっては、東明に近づくことが必ずしも利点にはなりません。逆に、東明の周辺で日々の用事を済ませたい方は、土地代を抑えるために離れた場所へ移るより、希望する範囲で少し小さな土地を選ぶこともあるでしょう。
ですから、売主様の土地を査定するときも、近くで条件の似た土地がいくらで成約したかを先に見ます。そのうえで、今買える別の物件と比べて、価格差に見合う良さがあるかを確かめます。東区の一番高い地点を、ご自身の土地の根拠にするのは無理がありますし、区平均より高いというだけで値下げする必要もありません。
買う方は、土地を買ったあとに家を建てます
更地を探す方にとっては、土地代を払えればよいわけではありません。建物や外構、諸費用まで含めて、ご家族が用意できる金額に収める必要があります。
仮に総予算が4,000万円で、建物・外構・諸費用などに2,700万円を見込むなら、土地に使えるのは1,300万円です。相場を示す数字ではなく、予算の考え方を説明するための例です。この方に1,500万円の土地を買っていただくには、追加の資金を用意するか、家にかけるお金を200万円減らしていただくことになります。
その場所に住むために建物の希望を調整する方もいれば、間取りを優先して別の土地を選ぶ方もいます。高い価格で売り出すなら、買う方がその調整をしてでも選びたいと思える理由が必要です。駅への近さでも、ご家族の近くに住めることでも、希望する家が無理なく建つことでも構いません。地価が上がったこと自体は、暮らしの希望を変えていただく理由にはなりにくいです。
比較する相手には、土地だけでなく建売住宅も入ります。同じ予算で建物まで買える物件が近くにあれば、注文住宅で希望をかなえたい方に向けて売るのか、価格を見直すのかで進め方が変わります。ここを見ずに、近所の土地の坪単価だけをそろえても、買い手との話が合わないことがあります。
車2台分なら、毎朝入れ替えずに出られるか
東区で車を使う方に土地を紹介するなら、「2台駐車できます」の一言から、もう少し先まで説明したいです。例えば、ご夫婦が別の時間に出勤する場合、縦列駐車で毎朝車を入れ替えるのか、それぞれそのまま出られるのかでは暮らしやすさが違います。
駐車場を2台分取ったら希望する大きさの家が入らない、玄関への通路が窮屈になる、という土地もあり得ます。面積が十分でも、間口や形によって配置は変わります。車と建物を置けることが図面で分かれば、買う方は土地代に加えて、ここで暮らす姿を具体的に考えられます。
一方、土地が小さくても、車1台で足りる方や建物をコンパクトにしたい方には合うかもしれません。2台置けないから一律に大きく下げる前に、その場所と総額なら、どんな暮らしをする方に合うかを考えます。何台置けるかを曖昧にしたまま、広い土地と同じように売るのは避けます。
数字を見るときは、住宅地同士を比べる
東区には住宅地のほか、商業地や工業地の調査地点もあります。同じ地価調査の浜谷町2丁目は商業地です。店舗などの利用を想定する土地の価格を、一戸建てを建てる土地へそのまま当てはめると、買う方の予算や使い方がずれてしまいます。
公示地価は1月1日、地価調査は7月1日時点の価格です。違う地点や異なる用途の数字を並べて、半年でこれだけ上がったと読むこともできません。上の表は住宅地にそろえてありますが、それぞれ特定地点の価格です。個別の売却価格は、近い条件の成約事例と、今売られている競合物件から詰めます。
値上がりを待つなら、待つ費用も一緒に考える
地価の上昇が続くなら、もう一年持っていたいと思うかもしれません。急いで売る事情がなく、維持の負担も小さいなら、今すぐ売却に決めなくてもよいと思います。ただし、来年いくら上がるかは、今の上昇率からは決まりません。
待っている間の固定資産税や草刈り、建物があれば管理や修繕の費用はかかります。売却価格が少し上がっても、それ以上に費用が出ていけば、残るお金は減ります。住み替えなどで使う予定が決まっているお金なら、値上がりを期待して引渡しの期限に追われる方が困ります。
希望価格で販売を始める場合も、掲載したまま待つだけにはしません。問い合わせはあるのに購入へ進まないなら、総予算が合わないのか、家の配置が難しいのか、買う方が止まった理由を聞きます。説明や図面で解消できる話なら先に対応し、価格差そのものが原因なら、その根拠を見て売主様が価格を変えるか決めます。
東区のどの場所かを教えてください
同じ東区でも、まず候補に挙がる土地は買う方によって違います。ご自身の土地が高く売れるか知りたいときは、町名だけでなく、場所と面積、建物があるかを教えてください。
「この金額は残したい」「急いで売る予定はない」といった事情も、一緒にお聞かせください。売却価格と、費用を払ったあとに残る金額の両方が分かってから、売るかどうかを決めていただいて結構です。
