新潟市で不動産を売却しようとすると、「どの不動産会社へ任せればよいのか」で迷う方は多いと思います。
大手と地元の不動産会社ならどちらがよいのか。査定額が一番高い会社を選べばよいのか。売却実績はどこまで確認すればよいのか。
弊社では、不動産会社選びで最も重要なのは、会社の規模や査定額ではなく、「この物件を誰に、何を価値として、どのように売るのか」を具体的に説明できるかだと考えています。
土地、戸建、マンション、一棟アパートでは買主が違います。同じ新潟市内でも、道路、駐車場、総額、建築費、管理状況、融資などによって販売方法は変わります。
この記事では、「この会社が正解」と決めつけるのではなく、売主様自身が不動産会社・担当者を比較するための判断基準を整理します。
先に結論|不動産会社選びで確認したい7つのこと
不動産会社を比較するときは、次の7項目を確認してみてください。
| 判断基準 | 確認したいこと |
|---|---|
| ① 物件理解 | 物件の強みだけでなく、売りにくい点まで理解しているか |
| ② 買主像 | 誰が、何を評価して購入する物件なのか説明できるか |
| ③ 販売戦略 | 価格・広告・販売先をどのように設計するのか説明できるか |
| ④ 類似物件の経験 | 似た物件について、どのように判断し販売した経験があるか |
| ⑤ 情報流通 | 自社だけで情報を抱えず、買主候補へ適切に情報を届ける考えがあるか |
| ⑥ 報告・改善 | 販売開始後の反応を共有し、必要に応じて方針を修正できるか |
| ⑦ 担当者 | 良いことだけでなく、売主にとって言いにくいことも説明できるか |
会社の知名度や査定額も判断材料ではあります。
ただ、それだけでは「実際にどのように売ってくれるのか」は分かりません。
不動産会社選びでは、会社そのものを比較するというより、その会社へ任せた場合の販売活動を比較するという感覚の方が分かりやすいと思います。
大手か地元の不動産会社かだけでは決められない
「大手と地元の不動産会社なら、どちらへ任せるべきですか?」という質問があります。
結論としては、会社規模だけでは判断できません。
全国規模の会社であれば、ブランド、組織体制、店舗網、既存顧客などを活用できる場合があります。
地域密着型の会社であれば、新潟市の地域性、地元の買主、不動産会社間の情報、個別の道路事情などを把握している場合があります。
少人数の会社でも、土地、マンション、一棟アパートなど特定分野について深い経験を持っていることがあります。
もちろん、これはあくまで傾向です。
大手だから地域を知らないとは限りませんし、小規模な会社だから丁寧とも限りません。
最終的には、実際に担当する人が今回の物件と市場をどの程度理解しているかを見る必要があります。
① 物件の「良いところ」と「売りにくいところ」を理解しているか
最初に確認したいのは、その不動産会社が物件をどの程度理解しているかです。
査定時には、どうしても物件の魅力や高く評価できる部分の説明が中心になりやすいと思います。
しかし、実際の買主は良い部分だけを見て購入するわけではありません。
例えば新潟市の土地であれば、
- 前面道路
- 間口
- 土地の形状
- 駐車場配置
- 土地総額
- 建物を含めた総予算
なども買主の判断材料になります。
マンションなら駐車場、管理費・修繕積立金、競合住戸、管理状況。一棟アパートなら空室、修繕、融資、管理、将来の出口なども見られます。
弱点があるから売れない、という意味ではありません。
重要なのは、
- どの買主には問題になりやすいのか
- どの買主なら受け入れやすいのか
- 改善できる問題なのか
- 説明によって不安を減らせるのか
- 価格へ反映した方がよいのか
まで整理できることです。
物件の魅力だけでなく、買主が迷う理由まで理解している会社の方が、販売戦略を具体化しやすくなります。
② 「誰が買うのか」を具体的に説明できるか
次に確認したいのが、想定する買主です。
例えば土地であれば、
- 注文住宅を建てる個人
- 建売住宅を建築する事業者
- 収益物件を建築する投資家・事業者
- 店舗・事務所等を検討する法人
- 隣地所有者
など、物件条件によって想定する買主は変わります。
マンションなら、駅距離、間取り、価格帯、駐車場、管理費等によって検討する世帯が変わります。
一棟アパートなら、自己資金、融資、投資経験、保有方針によって買主層が変わります。
誰が買うかが変われば、価格の見せ方、広告内容、販売先も変わります。
そのため、「この物件はいくらです」だけではなく、「この物件をその価格で評価しそうな買主は誰なのか」まで説明できるかを確認してみてください。
③ 「どう売るのか」を販売開始前に説明できるか
不動産は、実際に市場へ出してみなければ分からない部分があります。
そのため、「まず販売して市場の反応を見る」という考え方自体は間違いではありません。
ただし、何も仮説を持たずに販売を始めることとは別です。
販売開始前に、少なくとも、
- 誰を買主として想定するのか
- どの価格から販売するのか
- 物件の何を価値として伝えるのか
- どこへ情報を出すのか
- 他の不動産会社へどのように情報を共有するのか
- どのような反応があれば方針を見直すのか
は確認しておきたいところです。
そして実際の市場反応が想定と違えば、販売方針を修正します。
仮説を立てる → 市場へ出す → 反応を見る → 修正する。
売却活動は、この繰り返しだと弊社は考えています。
なお、査定価格そのものの根拠や営業担当者の説明を見極める方法については、「不動産売却の営業トークは信じて大丈夫?査定時に確認したいこと」で詳しく整理しています。
④ 類似物件の「件数」より、どう売ったかを聞く
売却実績も不動産会社を選ぶ材料になります。
ただし、「年間○件売っています」という件数だけでは、今回の物件をどう売るのかまでは分かりません。
確認してみたいのは、似た物件について、
- どのような物件だったか
- 誰を買主として想定したか
- どのような価格設定をしたか
- 販売中にどのような反応があったか
- 途中で何を変更したか
- 最終的にどのような買主と成約したか
といった内容です。
過去の成約価格そのものより、その会社が何を考えて、どう販売したのかを聞いた方が、今回の売却を任せた場合のイメージがしやすくなります。
また、過去に似た物件を早く売却した実績があったとしても、今回も同じ期間で売れるとは限りません。
市場環境、価格、競合、買主層が違えば結果も変わるため、実績は「再現性のある考え方を持っているか」を見る材料として使う方がよいでしょう。
⑤ 自社だけで情報を抱えず、買主候補へ情報を届ける考えがあるか
不動産会社選びで、売主様からは見えにくいものの重要なのが情報流通です。
弊社は、「両手取引だから悪い」「片手取引だから良い」とは考えていません。
自社で買主を見つけて、売主様と買主様の双方を仲介すること自体が問題なのではありません。
問題になるのは、売主様が知らないところで情報が止まり、本来検討できたはずの買主へ物件情報が届かないことです。
そのため、不動産会社へ依頼する前に、
- どの媒体へ掲載するのか
- レインズをどのように利用するのか
- 他の不動産会社から問い合わせがあった場合にどう対応するのか
- 自社顧客以外へどのように情報を届けるのか
を確認してもよいと思います。
専任媒介・専属専任媒介で売却を依頼した場合、売主様は不動産会社から交付されるレインズの登録証明書を使って、売主専用画面から自分の物件の登録内容や取引状況を確認できます。
2025年1月からは、宅地建物取引業者にレインズ上の取引状況を登録することも義務付けられています。
売主専用画面では、取引状況が「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれになっているか確認できます。
つまり、「囲い込みをしませんか?」と聞くだけではなく、媒介契約後に自分自身で情報の状態を確認する方法もあるということです。
レインズへ登録しているかだけで安心するのではなく、その後どのように買主へ情報を流通させるのかまで確認することが重要です。
⑥ 販売開始後の反応を「報告して終わり」にしないか
売却を任せた後も、不動産会社によって差が出ます。
確認したいのは、単に定期報告があるかどうかではありません。
例えば、
- 広告はどの程度見られているか
- 問い合わせはどのくらいあるか
- どのような買主から反応があるか
- 内見・現地確認後に何を理由として見送られたか
- 他の不動産会社からどのような問い合わせがあるか
- 価格・条件についてどのような反応があるか
などを、次の販売判断へ使える形で共有してくれるかです。
例えば、広告は十分に見られているのに問い合わせがないのであれば、価格や物件条件の見え方を確認する必要があるかもしれません。
問い合わせはあるのに内見へ進まないのであれば、広告内容や想定買主がずれている可能性があります。
内見は入るのに申込みにならないのであれば、現地で初めて分かる問題や価格とのバランスを検証する必要があります。
報告の目的は、売主様へ活動実績を見せることではなく、次の判断材料を増やすことだと弊社は考えています。
すでに販売を開始していて、なかなか売却が進んでいない場合は、「新潟市で不動産売却が長期化する理由」も参考にしてください。
⑦ 「言ってほしいこと」ではなく、判断に必要なことを言える担当者か
不動産売却では、担当者との相性も重要です。
数か月にわたって相談することもあるため、連絡しやすさや話しやすさは無視できません。
ただし、「感じがよい」「自分の希望を肯定してくれる」だけで決める必要もありません。
販売中には、
- 価格を変更するか
- 購入申込みを受けるか
- 条件交渉へどこまで応じるか
- 修繕や測量を行うか
- 販売方法を変更するか
など、売主様が迷う場面が出てきます。
そのとき必要なのは、売主様の希望へすべて同意する担当者ではなく、判断に必要な情報を出し、メリットとデメリットを整理してくれる担当者です。
例えば高い価格から販売したいという希望がある場合に、頭ごなしに「無理です」と否定する必要はありません。
一方で、根拠なく「大丈夫です、高く売れます」と合わせることが良い提案とも思いません。
「この条件なら挑戦する余地がある」「この期間までは反応を見る」「こういう反応なら見直す」といった形で、売主様が判断できる材料を提示できることが重要です。
査定額の高さや「何社比較したか」を目的にしない
不動産会社を選ぶとき、査定額は当然気になると思います。
ただ、査定額は不動産会社がその金額で買い取るという保証ではありません。
高い価格から販売を始めること自体に問題があるわけでもありません。
確認したいのは、なぜその価格へ挑戦できるのか、その価格を評価する買主を想定できるのかという部分です。
また、「査定は必ず○社に依頼すればよい」というものでもありません。
1社だけでは判断材料が足りなければ別の会社から意見を聞く意味があります。一方で、会社数を増やすことが目的になると、査定額の数字だけを比較する状態にもなりやすくなります。
大切なのは何社に聞いたかではなく、自分が売却方法を判断するための材料が揃ったかです。
査定額や営業担当者から受けた説明の確認方法については、査定時に確認したいポイントの記事をご覧ください。
迷ったら、この7項目をそのまま確認する
不動産会社を比較するときは、次のチェックリストを使ってみてください。
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 物件の強みと売りにくい点の両方を具体的に説明できる | □ |
| どのような買主を想定しているか説明できる | □ |
| 販売開始時の価格・広告・情報公開の方針がある | □ |
| 類似物件について「何件売ったか」だけでなく「どう売ったか」を説明できる | □ |
| 他の不動産会社も含めた情報流通の考え方が明確 | □ |
| 販売後の反響を分析し、必要なら方針を修正する考えがある | □ |
| 良い話だけでなく、売主にとって不都合なことも説明してくれる | □ |
すべてにチェックが入る会社が必ず正解、という意味ではありません。
ただ、この7項目で確認すると、
「A社は4,000万円、B社は4,300万円だった」
という査定額だけの比較から、
「この会社へ任せた場合、どのような考え方で売却が進むのか」
という比較に変えられます。
すでに不動産会社へ売却を依頼している場合
すでに別の不動産会社へ売却を依頼していて、「このまま任せていてよいのだろうか」と迷っている方もいると思います。
その場合も、すぐに会社を変更することが正解とは限りません。
まず、
- 物件情報は十分に市場へ出ているか
- 問い合わせ・内見はどの程度あるか
- 買主からどのような反応があるか
- その情報が売主へ共有されているか
- 反応を踏まえて販売方針を見直しているか
を確認します。
問題が価格なのか、広告なのか、情報流通なのか、担当者とのコミュニケーションなのかによって対応は変わります。
現在依頼している不動産会社を変更するか迷っている場合は、「新潟市で売却を依頼した不動産会社を変更するには?」で判断の順番を整理しています。
まとめ|「高く査定した会社」ではなく、判断材料を出せる会社を選ぶ
新潟市で不動産売却を任せる会社を選ぶとき、会社規模や査定額も判断材料にはなります。
ただ、それだけでは今回の不動産をどのように売ってくれるのかは分かりません。
確認したいのは、
- 物件の強みと弱みを理解しているか
- 想定する買主を説明できるか
- 販売方法を具体的に考えているか
- 類似物件をどう売ったか説明できるか
- 市場へ適切に情報を流す考えがあるか
- 販売後の反応を次の判断へ生かせるか
- 売主にとって不都合な情報も説明できるか
という点です。
不動産仲介の価値は、物件情報を掲載して買主を見つけることだけではありません。
売主様が価格・期間・条件・販売方法を合理的に判断できるよう、情報を整え、その判断を補助することも重要な役割だと弊社は考えています。
まだ「売却する」と決めていない場合は、不動産売却を考え始めた方のための総合記事からご覧ください。
新潟市で不動産会社選びから相談したい方へ
竹鼻不動産事務所では、新潟市の土地・戸建・マンション・一棟アパートなどについて、査定額だけではなく、その物件を誰が購入するのか、何を価値として伝えるのか、どのように販売するのかまで整理してご説明しています。
弊社へ売却を依頼することを決めていない段階でも問題ありません。
「他社から査定を受けたが判断できない」「どの会社へ任せればよいか分からない」「現在依頼している会社の販売方法について整理したい」といった段階でもご相談いただけます。
売却を依頼する会社を決める前に、まず今回の不動産に合った売り方を整理したい方はご相談ください。
