住宅ローンが払えないと感じたらどうする?|本当に手遅れになる前に知っておいてほしい話
住宅ローンの相談で、実は一番多いのはこのタイミングです。
「まだ滞納はしていないんですが、正直この先が不安で…」
これ、かなり健全です。
逆に言うと、
一番まずいのは「もう少し我慢すれば何とかなる」と黙り込むこと。
住宅ローンは、
“払えなくなってから”より“払えなくなりそうな段階”で動ける選択肢の方が圧倒的に多い。
この記事では、
- 住宅ローンが苦しくなったときにまず考える順番
- やってはいけない判断
- 売却・任意売却・リースバックなどの現実的な選択肢
を、売却相談を日常的に受けている立場から、正直に書きます。
「住宅ローンが払えない」は、だいたい段階がある
いきなり破綻するケースは、実は多くありません。
多くは、こんな流れです。
- ボーナスが減った/なくなった
- 転職・独立で収入が不安定になった
- 教育費・医療費が想定よりかかった
- 物価上昇で生活費がじわじわ重くなった
この段階では、
「ギリギリだけど、今は払えている」
ことが多い。
ただ、ここで無理を続けると、
選択肢がどんどん減っていく
これが現実です。
まず最初にやってほしいこと|現実を数字で見る
精神論の前に、これだけはやってください。
① 毎月の収支を一度、紙に出す
住宅ローンだけ見てもダメです。
- ローン返済額
- 管理費・修繕積立金
- 固定資産税(年額を月割り)
- 保険料
- 生活費・教育費
ここまで出して、
「あと何か月、同じ生活が続けられるか」
を見ます。
② 「希望」ではなく「事実ベース」で考える
よくあるのが、
「来年は収入が戻るはず」
「ボーナスが出れば何とかなる」
という判断。
もちろん、そうなるなら一番いい。
ただし、
不動産とローンの判断は、希望ではなく事実でやった方がいい
これは、現場で何度も見てきました。
絶対に後回しにしてはいけない相手
一番やってはいけないのが、
金融機関からの連絡を無視すること
滞納が始まると、
- 督促
- 期限の利益喪失
- 競売の準備
と、流れは一気に進みます。
逆に言うと、
滞納前・初期段階であれば、金融機関は意外と話を聞いてくれる
返済条件の変更(リスケ)や、一時的な調整ができるケースもあります。
住宅ローンが苦しいときの現実的な選択肢
ここからは、「理屈」ではなく「現実に多い選択肢」です。
① 住み替え・売却する
一番シンプルで、後腐れが少ない方法です。
- ローン残債より高く売れれば、借金はゼロ
- 多少残っても、整理はしやすい
「売る=失敗」ではありません。
生活を立て直すための選択です。
② 任意売却
すでに滞納が始まっている場合でも、
競売になる前なら、任意売却という選択肢
があります。
市場に近い価格で売れる可能性があり、
- 引越し時期の相談
- 残債の分割返済
など、条件面で競売よりは柔軟です。
ただし、時間はあまり残っていません。
③ リースバック
「家は出たくない」という声も、正直多い。
その場合、
売却して、賃貸として住み続ける
リースバックという方法もあります。
ただ、
条件はかなりシビア
家賃・売却価格・将来の買い戻し。
メリットだけでなく、デメリットもきちんと理解した上で判断が必要です。
よくある「やってしまいがちな失敗」
- 誰にも相談せず、限界まで我慢する
- ネットの体験談だけで判断する
- 「高く売れる」という言葉だけで動く
住宅ローンの問題は、
恥でも失敗でもありません
環境が変われば、誰にでも起こり得ます。
まとめ|一番大事なのは「早めにテーブルに出す」こと
住宅ローンが払えないかもしれない。
そう感じた時点で、
もう相談していいタイミング
です。
売る・売らないは、そのあと決めればいい。
ただ、
何も決めずに時間だけが過ぎるのが、一番しんどい
これは、現場で何度も見てきました。
状況を整理して、
選択肢を並べて、
その中から一番現実的な道を選ぶ。
それができれば、
住宅ローン問題は「詰み」にはなりません。
まだ払えている今こそ、
一度、冷静に整理する価値があります。


