仲介と買取の違い｜不動産売却で迷ったときにお伝えしていること

不動産を売却しようとすると、かなりの確率でこの質問が出ます。

「仲介と買取、どっちがいいんですか？」

正直に言うと、この質問に一発で当てはまる正解はありません。

いつもお伝えしているのは、 「どちらが得か」ではなく、「どちらが今の売主様に合っているか」 という考え方です。

この記事では、 仲介と買取の違いを“制度的に”ではなく、 現場で実際に起きている話ベースで書きます。

仲介と買取、そもそも何が違うのか

仲介という売り方

仲介は、不動産会社が買主様を探す役になります。

よくある流れはこんな感じです。

• 価格を決めて売り出す
• 反響が来る
• 内覧をする
• 条件交渉
• 買主様のローン審査
• 契約・決済

多くの売主様がイメージしている「不動産売却」は、この仲介です。

メリットはシンプルで、 相場に近い価格、条件が良ければ相場以上も狙える。

ただし、その分 時間と不確定要素は必ずついてきます。

買取という売り方

買取は、不動産会社がそのまま買主になります。

つまり、

• 買主探しなし
• 内覧対応ほぼなし
• ローン審査待ちなし

話が進めば、かなり早いです。

一方で、価格はどうしても 仲介より低くなるケースが多い。

ここを見て「やっぱ仲介一択だな」と思う方も多いんですが、 実はそう単純でもありません。

仲介が向いている売主様

仲介が合いやすいのは、こんなケースです。

• 売却期限が特に決まっていない
• 多少時間がかかっても構わない
• 価格を一番重視したい

立地が良い、状態が悪くない、需要がある。 こういう物件は、仲介でしっかり市場に出す意味があります。

ただし、必ずお伝えするのはここです。

「高く売り出す」と「高く売れる」は別

売り出し価格だけ見て判断すると、 後でしんどくなるケースも正直あります。

買取が向いている売主様

買取を選ばれる売主様には、共通点があります。

• とにかく早く整理したい
• 相続で取得して、気持ちの整理も含めて終わらせたい
• 管理・維持が精神的に負担
• 物件に多少クセがある

例えば、

• 築年数がかなり経っている
• 空き家・長期空室
• 再建築不可、法的制限あり

こういう物件を仲介で売ろうとすると、 時間だけが過ぎていくことも珍しくありません。

買取は価格こそ控えめですが、 「終わる」という安心感は確実にあります。

よくある勘違い

仲介＝必ず得、ではない

仲介で高く売れても、

• 仲介手数料
• 修繕・清掃費用
• 売却までの時間的ロス

を差し引くと、

「結果的に買取とあまり変わらなかった」

という話もあります。

最初から決め打ちしない方がいい

よく提案するのは、

• まず仲介で出す
• 反応がなければ買取に切り替える

この“逃げ道を残す”やり方です。

売却は一発勝負にしない方が、 結果として後悔が少ないです。

まとめ｜売り方より「今の状況」が先

仲介か買取か。

大事なのは、

• 今、どれくらい時間を使えるか
• 何を一番優先したいか
• 物件の現実的な立ち位置

これを整理することです。

売り方は、そのあと自然に決まります。

迷っている段階で相談するのは、全然遅くありません。 むしろ、その段階が一番整理しやすいです。