リースバックという言葉を知って、 こんな期待を持つ方は多いです。
「家を売っても、そのまま住めるんですよね?」
結論から言うと、 仕組みとしてはその通り。でも、注意点を知らないと後悔しやすい。
リースバックは便利な反面、 「知らなかった」では済まされないポイントがいくつもあります。
この記事では、
- リースバックで特にトラブルになりやすい注意点
- 契約前に必ず確認すべき項目
- 「向いていない人」の共通点
を、現場目線で正直に整理します。
注意点① 売却価格は相場より下がるのが基本
まず、一番多い誤解です。
リースバックは「高く売る方法」ではありません。
通常の仲介売却と比べると、
- 売却価格は相場の7〜8割程度
- 場合によってはそれ以下
になることもあります。
理由はシンプルで、
- 買主様が限定される
- 賃貸としてのリスクを織り込む
- 将来の再売却が自由にできない
からです。
「住み続けられる代わりに、価格は下がる」 ここを理解せずに進むと、後で不満が残ります。
注意点② 家賃は「思ったより高い」ことがある
リースバック後は、 毎月家賃を支払う立場になります。
この家賃、
周辺相場より高めに設定されるケース
が少なくありません。
なぜなら、
- 売却価格を抑えた分を家賃で回収する
- 長期入居リスクを見込む
といった考え方が入るからです。
売却額だけでなく、10年・15年住んだ場合の総支払額まで 一度計算しておくことをおすすめします。
注意点③ 「ずっと住める」とは限らない
これも重要です。
リースバック=終身で住める ではありません。
契約内容によっては、
- 定期借家契約(更新なし)
- 更新条件が厳しい
- 一定期間後に退去前提
というケースもあります。
「何年住めるのか」「更新できるのか」 ここを曖昧にしたまま契約すると、かなり危険です。
注意点④ 買い戻しできるとは限らない
リースバックの説明でよく聞くのが、
「将来、買い戻せますよ」
という言葉。
ただし、
契約で明確に定められていない限り、保証はありません。
仮に買い戻し特約があっても、
- 価格がかなり高く設定されている
- 期間制限がある
- 条件が厳しい
ことが多いです。
「いつ・いくらで・誰が買い戻せるのか」 ここまで書面で確認できないなら、 買い戻し前提で考えない方が安全です。
注意点⑤ 契約内容を理解せずに進むと不利になりやすい
リースバックは、
- 売買契約
- 賃貸借契約
2つの契約が同時に絡む取引です。
特に注意すべきは、
- 修繕費は誰が負担するのか
- 原状回復の範囲
- 途中解約できるか
- 家賃滞納時の扱い
ここを理解しないまま進むと、 「思っていた話と違う」になりがちです。
注意点⑥ リースバックしか見ないのは危険
現場でよくあるのが、
「もうリースバックしかないですよね?」
という相談。
でも実際には、
- 通常売却+賃貸への住み替え
- 買取
- 一部借り入れや条件変更
など、他の選択肢があることも多い。
リースバックは「最後の手段」ではありませんが、「唯一の正解」でもありません。
リースバックが向いていない人の共通点
次に当てはまる場合、 リースバックは慎重に考えた方がいいです。
- できるだけ高く売りたい
- 家賃を長期間払う余力がない
- 将来の住まいがまだ固まっていない
- 契約内容を細かく確認するのが苦手
「楽そう」「簡単そう」で選ぶと、 後で重くなります。
まとめ|リースバックは「理解して使う人」だけが得をする
リースバックは、
- 住み続けられる
- 一括で資金化できる
という強いメリットがあります。
ただし、
注意点を理解せずに使うと、後悔しやすい取引
でもあります。
大切なのは、
- 売却価格
- 家賃
- 契約期間
- 将来の選択肢
これらをセットで考えること。
リースバックを検討するなら、 必ず他の売却方法と比較したうえで、 納得して選んでください。
それが、 「住み続ける」という選択を後悔しない一番の近道です。


